第61章 あなたの夫は普段どうやってあなたに取り入っているのか

ここ最近、長谷川栞は雷のような手腕で見せしめを打ち、役員会を力でねじ伏せた。

連日、1日12時間を超える勤務も珍しくない。長谷川グループ傘下の事業は、ひと通り把握しきったと言っていい。

だから今は――展示会の準備に、また時間と気力を回せる。

ザ・ワンデザイン社に足を運ぶのは、久しぶりだった。

廊下にずらりと飾られたイラストを目にした瞬間、体の奥にふっと熱が戻る。まるで、エネルギーを注ぎ直されたみたいに。

「は、長谷川さん……おはようございます」

社員のひとりが声をかけてきた。新設部署の部長。しかも入社早々、社長直轄で立ち上げられた部署の――その人だと覚えているのだろう。

栞は軽...

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